活性化リンパ球療法

活性化リンパ球療法

患者さま自身のT細胞を増殖活性化して、その免疫力でがんの進行を抑え込んでいく治療法です。T細胞は細胞性免疫の中で最も重要な役割を持つと言われており、がん細胞だけでなくウイルスなど外部から侵入したものばかりでなく、体内で発生した異常な細胞も攻撃対象となります。さらに他の免疫細胞の活性化や免疫反応の調整など、免疫システムの中心的な役割をしています。T細胞はHLAクラスⅠが発現しているがん細胞を主に標的としてダメージを与えます。

活性化Tリンパ球療法の仕組み

「がん」に強力な働きをするのがT細胞です。T細胞はがん細胞を発見し攻撃を仕掛ける能力を持っています。患者さまから採取した血液の中からT細胞を分離し、体外で2週間程度培養します。強力に活性化して数を増やしたT細胞を、患者さまの体内に戻しがんを攻撃します。

免疫治療

しかし、今までがんを攻撃できていなかったT細胞を、いくら増やしても抗原性が変わらなければ、がんを攻撃してくれる期待度は今までどおり高くありません。そこで、がん細胞の特徴をT細胞に覚えさせることでより効率的に、がん細胞を攻撃させるなど効果が得られるような工夫もされています。

活性化Tリンパ球療法の長所・短所

長所
たくさんのT細胞を作ることができるため攻撃が始まると効果が出始めます。
短所
がん細胞を自己細胞として認識している場合は攻撃が始まりません。

T細胞

免疫細胞は骨髄で生まれるのですが、その中に未成熟な状態で胸腺に移動する細胞があります。その細胞は胸腺で教育を受け免疫の基本である、自己と非自己を見分け非自己だけを攻撃することを学習するのですが、生き残るのは5%程度です。この5%が免疫細胞のエリートで、末梢のリンパ組織へ送られ免疫システムの中心的な存在として活躍することになるのです。胸腺を英語でThymusということから、T細胞、Tリンパ球と呼ばれています。T細胞にも数種類あり、樹状細胞から情報をもらった敵を認識して攻撃体制に入ったT細胞を、細胞障害性T細胞(キラーT細胞、CTL)と呼び、他の免疫細胞を活性化させるのが、ヘルパーT細胞、T細胞の働きを抑えるものがレギュラトリーT細胞です。